中田横浜市長あかね台グランドに来る!
2004年7月10日
中田横浜市長あかね台グランドに来る!

2004年7月10日土曜日午前10時40分。中田宏横浜市長が緑中央あかね台グランドにやってきた。日曜日の10時からテレビ朝日で放送中の「サンデープロジェクト」のための取材の場として市長自身がこのグランドを選んだ。緑中央の選手として活躍した市長は、地域への感謝を込めて行われるあかね台祭にも参加してくれるなど日頃からOBとしてリトルリーグへの理解を示してくれる大人の一人だ。

到着5分前が知らされるとリトルマイナーの選手たちは整列して市長を出迎えるため待った。

市長のそれとわかる車はグランド駐車場をほこりもたてずに入ってきた。車からゆっくりと降り立った市長はボディガードに取り囲まれ真夏なのにビシッとした黒のスーツで・・・・なんてことはなく、ポロシャツにカジュアルパンツのいでたちで車から真夏のグランドに飛び出したといった感じのほうがぴったりだった。吉野会長、大島副会長、菊池リトル監督、加藤マイナー監督らと挨拶を交わした後、整列した選手たちを見て襟を正すような表情に切り替わりグランドに降りる、と、その前にお母さんたちに向かって「いつも御苦労様です」と頭を下げた。さすが!家庭内、チーム内政治をよく理解している。

選手に短いコメントを話す。「野球はすべての人生につながっている。ここでがんばれたことが今の自分を作っている」直接子供に語りかけた。父母に向かって「勉強も大事ですがグランドで汗を流すことが何より成長につながる」と話してくれた。

早速練習に参加。市長自身もっとも愛着があるのがマイナーの赤のユニフォームだとのことでマイナー選手とのキャッチボールに参加。相手をつとめたのはキャプテンの加藤諒選手。飯塚健太郎捕手と飯塚崚輔捕手の間に挟まれるように立った市長は約20球コントロールを注意して加藤選手のグローブめがけて気持ち良さそうに投球した。

番組のコメント取材はリトルとマイナーのグランドの境目の丘に座って行われていた。背後ではリトルの選手たちの練習の声が響いている。マイナーの選手はマイクが声を拾ってしまうので静かに練習した。

時間が押して急ぎグランドを離れることになった。リトルマイナーの選手たちが集まって記念撮影をお願いする。市役所の担当者の配慮もあって実現。良かった間に合って。「市長こっちもお願いします」えッ?。なんとお母さんたちが並んでまん中が空いている。さすがに市の担当者たちも「時間ないのでいいかげんにして下さい」とは言えず、私たちも言えず、市長の「あなたお腹痛めて産んだんでしょ。一緒に写りましょうよ。」と言う言葉に母の輪が広がりさらに時間が押した。我々は何も言えないまま・・・。

最後は選手が市長に握手を求める選挙戦とは全く逆の風景。選手が「あっしたー」と言うと市長は「ありがとうございました、だよ」と笑顔で言葉を丁寧に直していた。その通り。

車はまたゆっくり出ていった。現在の親たちと年代の近い市長は少年野球の全体をどう感じてくれただろうか。住民意識の変化や住宅地の密集など現代都市部で広大なスペースを必要とするスポーツは、野球に限らず様々な大人の配慮がなければ子供たちだけでは環境を得ることはできない。公僕という立場なら我々少年野球に携わる大人のサポートも公僕だと思う。

市民のために仕事する市長と子供のために仕事する我々、公のためにお互いがんばりましょう。中田市長、グランドへの想いとグランドでの思い出を大切に扱って頂きありがとうございました。いつでも帰ってきてください。赤いユニフォームの子供達はあなたがいた頃と変わらず夢見て頑張ってますから。

(飯塚記)